要求仕様から運用管理まで、空間情報総括監理技術者に求められる要件
空間情報とは
空間情報とは地理空間情報とほぼ同義であり、位置情報とそれに関連付けられた様々な事象に関する情報又は位置情報のみのことをいいます。
測量技術の発展により測量の技術領域が過去と比較して広がっています。広がりによる社会の要請に対応するために、空間情報の技術が必要となっています。
空間情報は、要求仕様(使われ方)と製品仕様、品質仕様を明確にすることが必要です。これらの工程を含めた業務をこなせる広範囲の技術を駆使できる専門家が必要です。
空間情報総括監理技術者に求められる要件
空間情報に関する高度な技術を持っていることを証明する者、それが空間情報総括監理技術者です。この資格を取得するには下記の3つの要件が求められます。
(空間情報総括監理技術者に求められる要件)
- 要求仕様の策定ができる
- 製品仕様・品質仕様の策定ができる
- 運用管理計画を立案し、業務を遂行できる
要件定義から運用まで全てできることが求められるのです。この資格は空間情報の知識を日々取得する意識がないと取得することはできません。合格するのは大変ですが大変価値のある資格ですので取得する意味は大いにあります。
空間情報総括監理技術者はどのような職業に就いているのか
空間情報総括監理技術者の有資格者は様々な職業の方が多いです。
例えばGISデータの整備や構築関係で勤務されている方がいらっしゃいます。GISとは地理情報システムです。地理空間情報を取り扱うため、空間情報総括監理技術者はうってつけの資格と言えます。
また、災害測量や写真測量などの測量関係、道路計画・設計関係など空間情報を扱う様々な職業の方が空間情報総括監理技術者の資格を取得しています。
空間情報総括監理技術者の受験資格について
空間情報総括監理技術者の受験資格はハードルが高いです。3つの要件があり、全てを満たさないと受験することができません。一定水準の技術及び学識がないと受験することができないことがこの資格の特徴であると言えるでしょう。
受験資格は下記の3つを全て満たすことです。
(空間情報総括監理技術者の受験資格)
- 測量士の資格を有すること
- 技術士又は博士の資格を有すること(※令和7年度実施分までは「同等の資格有するもの」も含む)
- 空間情報関連業務に 15 年以上従事し、かつ、当該業務の責任者を2回以上経験していること
1つ目の要件はこの資格の受験生であれば保有しているでしょう。
2つ目の要件がハードルが高いです。技術士は難易度が極めて高めの資格であるため、合格するには時間がかかるかもしれません。
最後の要件は実務経験がないと受験できないこととなっています。
空間情報総括監理技術者の試験内容
空間情報総括監理技術者はコンピュータにて試験を行い、3問出題されます。USBに出力し提出します。
出題傾向は下記の通りです。今後出題傾向が変化する可能性はあります。
問1は出題されたテーマまたは別紙の論文等を読み、空間情報総括監理技術者としての立場から意見や課題などを論述する問題などが出題されます。
問2は自身が学習してきた内容及びそこから得ることができた新しい知識、もしあなたが講座を開いたらどのように行うか、別紙の論文を読み、自ら行うべき課題を論じるなど出題傾向が安定しないと見受けられます。
問3はこれまで自身が実施した業務や現在国や自治体が進めている課題などをプレゼンテーションする前提で資料作成を行います。
繰り返しになりますが、今後出題傾向はどうなるかはわかりません。