外国との物やサービスの取引を行う貿易
貿易について簡単に
貿易とは、外国の相手と物やサービスの売買取引を行う事を言います。売買の取引形態には次のようなものがあります。外国から物やサービスを購入する輸入取引、外国へ物やサービスを販売する輸出取引、とあるA国で物やサービスを購入しB国へ販売する三国間取引などです。企業は国内取引だけではなく、海外とも取引をすることでビジネスの販路を拡大させていくことができるのです。
ただし、海外取引にはリスクを伴うことに注意を払わなくてはいけません。政治状況、言語の違い、商習慣によりお互いに齟齬が生じてしまう可能性があります。これらのリスクによる損害は最低限回避できる担保がないことには取引をおこなうことは危険でしょう。また、自国と外国とでは通貨が異なるため為替リスクが生じます。為替予約などを利用してリスクを回避する企業もあるでしょう。他に国内取引と違い頻繁に対面で会うことができないという信用リスクもあります。
これらのリスクを伴うことは念頭に置いて取引を進めるとよいです。
貿易の取引の流れは下記の通りです。非常に大まかですが上から順番に記載しています。
(取引の流れ)
- 商品価格、決済通貨、決済方法その他詳細の取引交渉
- 契約締結(国際契約においては英文契約書)
- 輸送手段の確保・保税地域への搬入(海貨業者・通関業者)
- 通関手続き・商品の積込・輸送(海貨業者・通関業者)
- 代金決済・商品引取り
取引には様々なフェーズがあり、それにかかわる職業も様々あります。
物販、税関、貿易アドバイザーなど貿易に関わる仕事
貿易に関連する仕事には様々なものがあります。その一部を説明いたします。
輸出者や輸入者の仕事は、直接外国の企業若しくは個人と物やサービスを輸出若しくは輸入を行います。いわゆる物販の仕事であり、近年では個人事業は副業などで行われることも増えています。身近に取り組みやすい仕事になったと言えるでしょう。
通関業者は税関への申告行為の代行業者です。通関士はこれらの企業・団体に所属して仕事に励んでいます。通関士の資格を取得してめざしてみるのもいいでしょう。
貿易アドバイザーの仕事は、貿易に関する知識を生かしてコンサルティングを行う仕事です。経験を積めば副業で行うこともできます。貿易に関する仕事の経験を積み、知識を生かしてアドバイザーとして活躍するのは良いキャリアパスの1つでしょう。AIBA認定貿易アドバイザーの資格は、貿易アドバイザーとして力量があることを証明できる資格の1つです。
税関は公的機関の職員であり、適切な関税の徴収の業務や禁輸物の有無の確認などを行います。関税に関する業務は重要ですし、他国から禁輸物などが国内へ流入することは許されないので大変責任のある仕事です。
他にも貿易関係の業務は多数あります。取引は複雑であり、その分業種も多種多様です。
AIBA認定貿易アドバイザーについて
AIBA認定貿易アドバイザーとは
AIBA認定貿易アドバイザーとは貿易取引支援を目的に実務経験とノウハウを持った人材を育成、認定する資格です。この資格を保有することで貿易の実務経験及び貿易実務やマーケティング、貿易英語について深い知識を持っていることを証明することができます。難易度が高い資格のため、合格することにより貿易に関す知識が高いことを保証できるでしょう。
AIBA認定貿易アドバイザーの資格を取得することにより、貿易アドバイザー協会へ入会することができます。貿易アドバイザー協会へ入会することにより、国際案件のトピックスを得たりコンサルタントの仕事を得るチャンスがあります。資格を取得するメリットは大きいです。
AIBA認定貿易アドバイザーの試験について
AIBA認定貿易アドバイザーの試験は一次試験及び二次試験からなります。試験科目は下記の通りです。
(一次試験)
選択式及び一部筆記式
- 貿易実務(貿易実務一般、運輸・通関、外為・決済)
- 国際マーケティング
- 貿易英語
(二次試験)
小論文(事前提出)及び面接
貿易実務の科目では、売買契約の締結、国際取引ルール、貿易管理制度、貿易保険等その他について出題されます。出題範囲の内容や貿易用語などを把握していないと問題を正答することは難しいでしょう。
国際マーケティングの科目ではSWOT分析や4C分析などマーケティング分析や貿易収支などの統計などから出題されます。マーケティング分析はもちろん、各国間の統計などもしっかり対策をしておきましょう。
貿易英語は貿易に関連した英語の問題が出題されます。英語が苦手な方はしっかり対策しておくようにする必要があります。
二次試験は小論文はいくつかのテーマから選択し記述します。面接では小論文で記述した内容について答えられるようにしましょう。