事務・営業等

【難易度5】国際会計基準の基本を習得、IFRS検定について

2024-05-07

スポンサーリンク

IFRS検定とはどのような資格なのかについて

IFRS検定はICAEW(イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)によって運営されており、以前は英語でのみの試験が実施されていたのですが2009年12月より日本語試験が開始されました。この資格は国際資格であり、CFPなどと同じく世界で通用する資格の1つです。

IFRS検定の受験に向けて勉強を始めるに当たって、簿記や会計の基本レベルの知識はあることが望ましいです。事前に日商簿記検定2級程度は合格できる知識は身につけてから受験すると良いでしょう。基本知識を有していることでスムーズに学習を進めることができるでしょう。

IFRS検定は、IFRSの基本をしっかり理解していれば合格できるレベルです。但し、IFRSに準拠した財務諸表は日本の会計基準によるものとは大きく異なりますので学習は一から行う必要があります。

厳選!初学者におススメしたい大原のWeb通信講座

ベルン
IFRS検定はグローバルに通用する資格、IFRSの知識のアピールに適した資格だよ

IFRS(国際会計基準)についてを説明

IFRS(International Financial Reporting Standards)とは国際財務報告基準のことを指します。近年、様々なビジネスのグローバル化に伴い、ステークホルダーにとって比較可能性が容易な財務諸表のルールが必要となってきています。そこで共通の会計基準としてIFRSが策定されました。

EU加盟国やオーストラリア他140か国以上の国々では、上場企業等にIFRSの基準適用を要求しています。つまり世界中の多くの国でこの会計基準が導入されているということです。

日本でも2009年12月に米国会計基準を2016年3月31日を期限とする内閣府令が公布・施行されました。これにより2015年から2016年にかけて、上場企業にはIFRSが強制適用される予定でした。しかし2011年6月に当時の金融担当大臣が期限を廃止し、IFRSの強制適用がなくなり当面の間これまでの会計基準が使用できるようになりました。

日本で導入されている会計基準は損益計算書基準なのに対し、IFRSは貸借対照表基準です。特に慣れないと違和感を感じるのは「経常利益」がないことでしょう。日本式の財務諸表に慣れていると損益を比較判断するのにすぐに慣れないかもしれません。

日本の会計基準も「収益認識に関する会計基準」の適用など、徐々にIFRSを踏まえた会計基準が強制されています。

ポイント

  • ビジネスのグローバル化に伴い世界共通の会計ルールが必要となっている
  • 共通の会計基準であるIFRSが140か国以上で導入されている
  • 日本でも2015年から2016年にかけて上場企業にてIFRSの強制適用となる内閣府令が施行となったが廃止された
  • IFRSは経常利益がないなど日本の財務諸表と大きく異なる
ベルン
表示もIFRSは大きく異なる、将来強制適用が来ても対応できるよう勉強するのはいいことだ

IFRS導入のメリット及びデメリットについて

IFRS導入のメリットとは

IFRSのメリットは様々あります。例として3つ挙げます。

IFRSを導入することによって、海外の投資家にとって自社の財務諸表の可読性が高くなります。IFRSは国際会計基準であるため他社との業績の比較も容易であり、投資家から判断を受けることで投資を受けるチャンスが広がります。

政府の判断によりいつIFRSが強制適用になるかはわかりません。IFRSを事前に適用することにより、強制適用がきても特段作業は全く若しくはほとんどありません。

また海外子会社を所有する企業の場合、IFRSを導入することによってグループ間の財務諸表の比較や連結財務諸表を作成するのに大きな助力となります。

IFRS導入のデメリットとは

日本の会計基準からIFRSへ移行する際に、外部アドバイザーへの報酬、監査法人への報酬、IFRSへ対応したシステム導入費用など多大なコストがかかります。金銭面及び時間面の両方でコストがかかると言えるでしょう。

また会計担当や財務諸表利用する役職員全てがIFRSを理解できるように教育する機会を設けることも必要となります。

各社ごとの個別財務諸表にはIFRS適用は認められていません。日本式の会計基準にて個別財務諸表を作成し、コンバージョンを行いIFRSへ変換する必要があります。

ベルン
現時点ではメリットもデメリットもよく見て導入するか考えよう

IFRS検定試験について

IFRS検定の試験はIFRSに関する知識が問われる資格試験です。合格率は40%台から80%以上とばらつきがあり、試験の回により難易度および受験者のレベルにばらつきがあります。

合格するには日商簿記検定2級に合格できるレベルの簿記及び会計知識、IFRSの基本知識が必要となります。

60問選択式試験、60%以上の正答で合格です。学歴・実務経験などの条件はなく受験することができます。

就職や転職の際には、IFRSを導入している又はしようとしている企業へは少しはアピールできます。但し決定打とはならないため、他の資格も併せて取得するようにしましょう。


にほんブログ村

-事務・営業等