中小企業の経理を経験することのメリットについてを語ろう
経理職において、大企業のほうが中小企業よりもいろいろな実務経験を積めると考えられているかもしれません。企業によって体制は異なるので一概には言えませんが、必ずしもそうとは言えません。大企業は経理担当の人数が多く業務が分業化されており、売掛金のみ担当、連結決算のみ担当といった経験しか詰めない場合もあります。これでは経理の実務経験の一部を積むことはできますが、全体の仕組みは理解できません。
また大企業では頻繁に人事異動があります。経理部は現金を扱う部署なので一定規模以上の企業では不正を防ぐために、内部統制の観点から他部署へ数年おきに異動させられることが一定規模の企業ではあります。経理部から財務部といった異動であれば、広義では同職種であると言え仕事の幅が広がるのですが、営業部や広報部、CS部への異動はその会社に骨を埋めるのであればいいですが、経理畑で生きていくのであれば転職を考える必要が出てくるでしょう。
中小企業では殆どの会社では、正社員であれば一人で殆どの日時処理から年次決算、企業によっては税務申告までを担当することが多いです。これは結構なボリュームになり、大変な作業ではあります。何年か経験をすれば一人で全部できるようになりますので、会社の中で一つのポジションを築くことができます。これは大変大きなメリットです。
仕事を一人で回せると次に転職するときにある程度の規模の会社も狙うことができます。一つのステップアップです。仕事を覚えるのは大変ですが頑張りましょう。
また中小企業はある程度経営層に近い事もメリットであると言えます。普段の仲を良好にしておくことが必要ですが、経営上の数字に問題があれば改善点を報告することができます。ただこれは数年の経験が必要になります。いきなり入社した社員がやっても何がわかるんだと言われるでしょう。
ポイント
- 大企業は分業化、異動によりあまり経験を積めないというデメリットが大きい
- 中小企業は一人で全ての担当を行い仕事の幅が広がるというメリットがある
- 一人で全てができると次に転職するときにステップアップが狙える
中小企業の経理のデメリット、こんな会社を避ければOK
中小企業は玉石混合、色々な会社があります。経理の経験は一通り積みたいものですが、経理以外の庶務をすごいボリューム任せられる会社があります。経理もするのですが、半分庶務です。私の経験ですが、こんな経験を一気に任せられました。これはほんの一例です。
(経理で入社してさせられた庶務の一例)
- 電話回線の管理
- 駐車場の契約管理
- 営業店舗の契約管理
- リース車両の管理
- ISO14001の内部監査の指導
- 防火防災管理者
社内SEがいたのでPC管理はさせられなかったのだけが救いです。入社する前の面談で庶務の有無は必ず確認しておきましょう。下手をすると庶務だけで仕事の半分を占めてしまいます。
またブラック企業は避けましょう。1つ目は固定残業を設定している企業です。そういった企業は想定している時間以上に残業させられることが殆どです。時間に応じて残業代が出る企業を選びましょう。
2つ目は年間休日120日以上の会社を選びましょう。土日、祝日、年末年始休だとおおよそその程度となります。これを目安にしないと祝日出勤する羽目になります。
3つ目は想定残業時間です。経理は忙しい会社とそうでない会社で分かれます。想定残業時間が20時間以下の会社を選びましょう。今般残業をしても評価はされません。残業が評価される会社自体がブラック企業です。20時間を目安としましょう。
ポイント
- 庶務が多すぎる会社はせっかくの中小企業なのに経験が積みづらい、避けよう
- ブラック企業を避けないと心身を壊す
- 固定残業、休日120時間未満、残業20時間超企業を避けよう
中小企業の転職の難易度について
企業にもよりますが、中小企業は大企業よりも転職しやすい傾向にあります。経理の場合は大企業も中小企業も1名採用であることが殆どです。2名採用というのは私が転職した時は聞いたことがありません。
面接は一次面接は経理担当者もしくは人事であるケースが多いです。これは企業によるので何とも言えません。一次面接から会長が出てくる企業もありました。誰が出てきても緊張しないメンタルを持ちましょう。
経理の特性上、何故この会社に入りたいのかという質問があれば答えずらいです。事前にこれだけはシミュレートしてこじつけましょう。経理で転職する場合、経理職で転職すること自体が目的で、そこの会社というのは副次的であることが殆どでしょう。ウェブサイトは絶対に目を通しましょう。
転職はしやすいと述べましたが、社長クラスが面接する場合やはり癖のある方が多いです。相性が合えばすんなり採用されます。逆もまたしかりです。下手に誤魔化さず、自分の良さを引き出し面接に臨みましょう。