貿易事務におすすめ、税関手続きの専門家である通関士
現在、地上においてこれまでと比較してグローバル化の流れが進んできています。それに比例して輸出入も増加する流れとなるでしょう。貿易事務の仕事が活躍する機会はますます増えてくると言えます。
このような中で、通関士の仕事はおすすめできる資格の１つです。この資格を取得することにより、税関手続きの知識が一定以上の水準であることが証明できます。貿易会社で働いている方は真っ先に目指すべき資格の１つです。経歴に箔をつけることができるでしょう。貿易事務の仕事をしているのであれば取得しておくべきであることは間違いありません。
通関士は名称独占資格であるとも言われていますが、通関業者は、取り扱う貨物の数量や種類、通関書類の数等に応じて営業所毎に通関士を必要な人員を置かなければならないとされています。資格は宅地建物取引士に通じる性質があります。
現在、他職種で働いている方でも貿易事務へ転職を希望する方は通関士の資格を目指してみるといいでしょう。資格が全てではないことは間違いありません。実務経験に勝るものはないでしょう。しかし未経験であっても資格でやる気を評価してくれる会社もあります。特にグローバル化が進んでいる今般、人員不足の会社が採用してくれる可能性はあります。試験は未経験の方にとって難しい科目もありますが、頑張って勉強すれば合格することができます。
通関士の業務について語ります
通関士は通関業者に所属し、貨物の輸出入の際の手続の専門家です。主な仕事は通関手続きの代行です。
インボイスやパッキングリストなどの通関関係書類や輸出入の申告書類を作成して、税関へ申告します。申告書類の作成は、品名や数量、価格などから適用な税番や税率の計算をして課税価格の確認や国内関係法令に基づく許可や承認の要否を調べます。
税関での審査や検査の結果を受け、税関に出向いての内容説明や事後調査への立ち会い・相談を受ける業務もあります。
通関士の仕事は貿易に係る仕事ですので、英語のスキルがあるに越したことはありません。英語文書を読むことができる能力を身に付けるようにしましょう。
税関に提出する書類はミスは許されません。ミスをすることでペナルティが課される場合もあります。細かな仕事を素早くかつ正確にできる人が向いていると言えるでしょう。
やや難関な通関士試験について
通関士の資格はやや難しい試験です。宅建と同等かやや難しい程度です。出題科目は下記のとおりとなっています。
（出題科目）
- 通関業法
- 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法
- 通関書類の作成要領その他通関手続の実務
「通関業法」は暗記科目です。五肢択一問題と穴埋めの選択問題が出題されます。きちんと暗記できればそれほど難しくはないでしょう。ひっかけに引っかからないようにきちんと覚えることが必要となります。
「関税法等」はも通関業法と同様です。五肢択一と穴埋めの選択問題が出題されます。通関業法、関税法等合わせて試験範囲は広いため、暗記はなかなか大変ですが頑張って対策する必要があります。
「通関手続の実務」は例えばインボイスや輸出申告事項登録を読み解答する問題など、より実務に即した問題が出題されます。貿易事務の実務経験がないと苦戦するかもしれません。時間をかけしっかり試験対策をしましょう。出題形式は五肢択一と穴埋めの選択です。
実務経験がないと「通関手続の実務」は難しいですが、勉強時間をかけみっちり対策をしておきましょう。暗記科目はテキストを１巡し、過去問を繰り返しやることで暗記しましょう。
ポイント
- 宅建と同等かそれより難しい
- 試験科目は３科目あり通関業法、関税法等は暗記
- 通関手続の実務はみっちり練習しておこう
通関士試験の科目免除について
通関士試験には科目免除制度があります。それは実務経験を積むことです。具体的には、通関業者の通関業務又は官庁における関税その他通関に関する事務です。それぞれ５年以上、１５年以上の経験で下記の科目が免除されます。
（免除科目）
- 実務経験 ５年以上・・・「通関手続きの業務」
- 実務経験１５年以上・・・「通関手続きの業務」「関税法等」
科目免除になればかなり有利な試験となります。なんせ暗記すべき量が一気に減るのですから。実務経験者にとってはある程度知っていることも多いので、更に有利であることは間違いありません。実務経験がある方で資格を持っていない方は、是非取得しましょう。