PMIが認定する国際資格であるPMPについて
PMPはPMI(Project Management Institute)本部が認定している国際資格です。PMPはPMIがプロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめたPMBOKに関する知識を中心に問われる資格であり、この資格を取得することにより国際標準的なプロジェクトマネジメントの知識があると証明されます。
PMPに合格するにはPMBOKの読み込みが必要となります。またPMBOK以外からの出題もあります。そのためPMBOK以外の試験範囲の勉強もこなすことが不可欠です。
受験資格のハードルは高いですが、難易度は想定される業務内容と比較して易しめであるためプロジェクトマネージャの実務経験がある方には狙い目の資格の一つです。海外で通用する資格であるため、その点において国家資格のプロジェクトマネージャよりメリットが大きいです。
プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKについて
PMBOKはピンボックと読み、上記で記載した通りPMIがプロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめたものです。PMBOKの目的はQCD(品質、コスト、納期)を管理することです。プロジェクトマネージャとして活躍する上で、これらの知識を身につけておくことは大いに役に立つことでしょう。
PMBOK第6版は2つの要素で構成されていました。それは『5つのプロセス』と『10の知識体系』です。
(5つのプロセス)
- 立ちプロセス
- 計画プロセス
- 実行プロセス
- 監視・コントロールプロセス
- 終結プロセス
(10の知識体系)
- プロジェクト統合マネジメント
- スコープマネジメント
- スケジュールマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- ステークホルダーマネジメント
またPMBOKは第7版にバージョンアップされました。PMBOK第7版は12の原則に従います。また、12の原則だけではなく、第6版からの差分として8つのパフォーマンス領域ができました。それらは下記のとおりとなります。
(12の原則)
- スチュワードシップ:責任をもって実施
- チーム:チームの育成やパフォーマンス向上の環境構築
- ステークホルダー:利害関係者と密な接触
- 価値:価値に焦点
- システム志向:システムの相互作用を認識・評価・対応
- リーダーシップ:リーダーシップを示す
- テラーリング:状況に応じて対応させること
- 品質:成果物の品質に焦点を当てること
- 複雑さ:プロジェクト内での複雑性に対処すること
- リスク:リスク管理を行い最適化を行うこと
- 適応力と回復力:進行中のプロジェクトの適応と失敗からの復活力の育成
- 変革:将来の達成に備え変革をできるようにすること
(8つのパフォーマンス領域)
PMPの受験資格と更新制度について
PMPの受験資格について
PMP試験は受験資格があります。一定の学歴及びプロジェクトマネジメントの実務経験が必要となります。学歴によって必要となる実務経験が異なります。それは下記の通りとなります。
(受験資格)
・GAC 認定プログラムによる学士号又は修士号、または海外の同等資格・・・24 か月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験
・学士号または海外の同等資格・・・36 か月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験
・高等学校卒業、準学士号または海外の同等資格・・・60 か月以上にわたる、一意かつ重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験
※プロジェクトマネジメントのすべての経験が、申請から8年以内のものでありそれ以前のものは対象とはなりません。
受験資格を満たし、35時間のPM研修を受講、PMIに申請することにより受験申込ができます。受験するまでのハードルが高い部類の試験であると言えます。
PMPの更新制度について
PMPは更新制度がある資格であり、継続的な学習及び能力開発のためのカリキュラムとしてCCRプログラムがあります。
3年毎の資格の更新のためにこのプログラムに参加する必要があります。3年以内にPDUと呼ばれる単位を60単位取得しなければなりません。
PDUには「教育カテゴリのPDU」及び「ギブバック活動によるPDU」があります。「教育カテゴリのPDU」は60単位の内、最低35単位含めることが必須です。また、「ギブバック活動によるPDU」の単位取得は任意であり、60単位全て「教育カテゴリのPDU」による更新申請でも問題ありません。
PMP資格試験について語ります
PMP資格試験は受験回数が定められています。最初の受験で合格できなかった場合は、受験資格のある1年間以内に3回まで受験することができます。
資格試験の問題数は180問、試験時間は割り当て時間230分、60問目まで解答した時点で10分休憩、続きから再開し120問目まで解答した時点で10分休憩、残り最後の問題まで解答します。
出題範囲は3つの領域に分かれ、下記の通りとなっています。
(領域1)
- コンフリクト管理
- チーム管理
- チームのパフォーマンスサポート
- チームと利害関係者への権限付与
- チームと利害関係者のトレーニング
- チーム形成
- 障害の除去
- プロジェクト交渉
- 利害関係者との協力
- 共通理解の構築
- バーチャルチームを関与させてサポート
- 行動規範の定義
- 利害関係者のメンタリング
- 感情的知性を通してのパフォーマンス向上
(領域2)
- 緊急度に応じたプロジェクト実行
- コミュニケーション管理
- リスク管理
- 利害関係者を関与
- 予算と資源の計画及び管理
- スケジュールの計画及び管理
- 品質の計画及び管理
- スコープの計画及び管理
- プロジェクト計画の統合
- プロジェクトの変更を管理
- 調達の計画及び管理
- 書類の管理
- 適切なプロジェクト方法論、手法及び実務慣行の決定
- プロジェクト統治構造を確立
- プロジェクトの課題を管理
- プロジェクトの継続性を確保
- プロジェクトのフェーズ終結又は移管の計画及び管理
(領域3)
- プロジェクトのコンプラインスの計画及び管理
- プロジェクトの収益と価値を評価し実現
- 外部環境の変化による影響を評価し対処
- 組織の変更をサポート