事務職におすすめできる衛生管理者の資格について
労働安全衛生法で50人以上の事業所は業種に関係なく衛生管理者を選任することが義務付けられています。衛生管理者が未選任の場合、会社に『50万円以下の罰金』が科せられる場合があります。罰則有りの義務ですので選任を逃れることはできません。
衛生管理者の資格はものすごく難しい試験ではありませんが、講習で取得できる資格ではありません。きちんと勉強をしないと不合格となります。取得を目指す場合はテキストをしっかり読みこみ、過去問を何度も解いて本番の試験に挑んでください。特に第一種衛生管理者に挑む場合は薬品の名前を覚えなければなりません。あまり馴染みのない単語を暗記することになるので、勉強は大変でしょう。しかしきちんと勉強すれば合格できます。暗記は頑張ってしましょう。
衛生管理者は第一種衛生管理者と第二種衛生管理者に分かれています。それぞれ下記の業種で選任することができます。
- 第一種衛生管理者・・・すべての業種の事業場
- 第二種衛生管理者・・・有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場
この資格、事務職には大変おすすめです。なぜなら総務部などの部署が衛生委員会を開催することが多いからです。小さい会社であれば、経理や人事が総務の仕事を兼務していることも多いです。全ての事務職にこの資格はおすすめします。
可能であれば第一種衛生管理者の取得をおすすめします。理由は、現在の社会は転職が当たり前だからです。現職が小売業であっても転職先が建設業であれば、第二種衛生管理者の資格を生かすことはできません。第一種衛生管理者の資格であれば、どの業種であっても衛生管理者に選任されることができます。
ポイント
- 50人以上の事業場では衛生管理者の選任は罰則ありの義務である
- 第一種衛生管理者はすべての業種で選任されることができる
- 総務などで衛生委員会の取り纏めを行うことがおおいので事務職にはおすすめの資格
衛生管理者の業務やその選任基準、衛生委員会について
衛生管理者は職場の作業環境の衛生管理や、労働者の健康管理を行います。作業場の衛生状態が悪いことにより、労働者の健康に異常をきたす事があります。また作業環境以外からのストレスから健康に異常をきたしている社員のケアもおこなっていく必要もあります。作業環境を改善し、働きやすい職場を作りだす重要な業務です。
また週1回職場の巡視を行い、衛生状態や健康管理そして設備などのチェックを行います。そうすることで素早くトラブルを発見します。
衛生管理者の要選任人数は事業場の従業員数により異なります。人数は下記の通りです。
(選任人数)
- 50人以上~200人以下 ・・・1人以上
- 200人超~500人以下 ・・・2人以上
- 500人超~1,000人以下 ・・・3人以上
- 1,000人超~2,000人以下・・・4人以上
- 2,000人超~3,000人以下・・・5人以上
- 3,000人超~ ・・・6人以上
大規模の会社では1人の選任では足りません。このため資格を生かす機会は多いので、衛生管理者の資格を取得しておくと就職などで有利です。
50人以上の事業所については、衛生委員会を設置しなければなりません。衛生委員会は、総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を有する労働者で構成されます。ここで気をつけないといけないのは産業医が必要なことです。50人以上の事業所では産業医を選任する義務があります。
衛生委員会は月1回開催されます。委員に指名された衛生管理者は、衛生委員会に参加する必要があります。健康に関する事、衛生環境に関する事、健康診断などについてを議題とします。業務の一環となりますので頑張って励みましょう。
ポイント
- 作業環境や健康管理、作業場の巡視を行うのが仕事である
- 事業所の規模により衛生管理者の人数はことなる
- 衛生管理者は統括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を有する経験者で構成される
衛生管理者の資格試験についてを語ります
衛生管理者の資格試験は下記の試験科目となっています。
(試験科目)
- 労働衛生(有害業務に係るもの) ※第二種では出題されません
- 労働衛生(有害業務に係る以外のもの)
- 関係法令(有害業務に係るもの) ※第二種では出題されません
- 関係法令(有害業務に係る以外のもの)
- 労働生理
第一種衛生管理者の試験では労働衛生、関係法令の科目で『有害業務に係るもの』が出題されます。有害物質である薬品、化学物質についての出題があるため、化学系の学科を卒業していない方にとっては薬品名の暗記をしないと合格することができません。これがなかなか大変なので頑張ってください。
「有害業務に係るもの以外」では、食中毒の菌の種類や喫煙ガイドラインなど、様々な衛生に係る問題が出題されます。労働生理は心臓と動脈、血液、脂肪の分解など生物の内人体に関する問題が出ます。
合格点は60%かつ各科目40%以上です。1科目でも40%未満の科目があれば不合格となりますので注意が必要です。不得意な科目を作らないよう満遍なく勉強をしましょう。