ブラック企業は社会問題、入社すると取り返しのつかないことになることも
ブラック企業という用語は元々は反社会的勢力と繋がりのある企業を指す用語でした。我々が使う意味でのブラック企業は、2001年に2ちゃんねるの就職活動板で使用されだしたのが起源であるとされています。現在では一般的にブラック企業という単語は浸透しています。
ブラック企業に就職すると取り返しのつかないことになることがあります。短期離職の職歴が残り、履歴書が汚れる程度であれば軽傷です。ブラックな環境に潰され、肉体的にもしくは精神的に潰されるというケースがあり得ます。そうなると仕事による傷病が原因で次の仕事をすぐに見つけることも困難です。かなり不利となってしまうことは間違いありません。
経験談をお話いたします。とある企業で130時間以上の残業が数カ月続き、精神的に参ってしまい退職をせざるを得なくなってしまったことがありました。その会社自体はホワイト企業といえるものだったのですが、私の所属する経理は正社員が2名しかいなかったのです。システムも他部署が勝手に更改しまったこともあり、2人で処理がとても回らなかったことがこの残業時間に繋がりました。ブラック部署というものです。
ブラック部署かどうかについては、内定後のオファー面談で部署の残業時間などを確認できることはするようにしましょう。真実を隠されてしまったらどうしょうもないですが・・・。
ポイント
- 短期離職してしまうことは軽傷
- 肉体的、精神的にダメージを受けてしまったらどうしょうもない
- ホワイト企業でもブラック部署ということもある、オファーで残業時間などの確認を
ブラック企業は休日が少ない、休ませてくれない
年間休日52日前後について
年間休日52日前後、これは週休1日で会った場合の日数です。週休1日、ものすごく過酷です。労働基準法では1日8時間、1週間40時間までと定められています。1日の労働時間を短縮すれば理論上可能です。労働基準法では1週1休、例外的に4週4休の休日が義務づけられており、これを下回ることは違法です。計算上年間休日52日を下回ることは違法となります。
ただ現実問題、相当働く側としてハードであることは間違いありません。週1日しか休みはないのです。年末年始もこの数字では休みではありません。
もしこんな求人があったら、応募候補には入れないようにしましょう。年休52日は完全にブラック企業です。
週休二日制について
週休二日制、この単語を聞いて1週間に2日休めるでしょうか。答えは間違いです。週休二日制は1ヶ月の内、1週間でも2日休みの週があり、それ以外の週は1日以上の休みがあることを言います。なので月に5日しか休みがなくても週休二日制と言えるのです。週2日休みがあるのは「完全週休二日制」といいます。
この2つ、紛らわしいですが求職票を見る際に必ず間違えないようにしましょう。そして応募をする際は完全週休二日制もしくは十分な休日数がきちんと書いている会社を応募するようにしましょう。
年間休日105日について
年間休日105日は、「1日8時間、残業無しで働いた場合最低限休ませなければならない日数」です。この日数だと丁度完全週休2日制となるぎりぎりと同じ日数となります。
これは多いと感じるでしょうか。だがちょっと待ってください。世間の多くの企業や官公庁は祝日が休みです。また、年末年始も休みの企業が殆どです。そう考えると年間休日105日はかなり少ないと言わざるを得ません。年休105日は仕事内容にもよりますが、ブラック気質であることは間違いないです。
また105日に5日程度を足して110日を年休としている企業が中小企業には多いです。110日と言われると多いようにも感じますが、実際に働くと祝日に出勤する日があるため、周りと比較すると出勤日が多く感じます。休みは少ないですが、これだけで一概にブラック企業とは言い切れません。他の要素も見る必要があります。
年間休日120日について
年間休日120日は、土日休み、祝日休、年末年始休など、一般的な休みがある平均的な会社です。他の要素は分かりませんが、休日に関してはブラック企業の要素はありません。
休日にサービス出勤などをしていないか、休日出勤をした場合代休を取得できるもしくは休日出勤手当を支給してるかなど注意しなければならない点はあります。
ポイント
- 休日日数52日は確実ブラック、105日はブラック気質
- 1月のうち1週間2日休であれば週休2日制
- 土日休、祝日休、年末年始休を含めれば120日休程度になる
ブラック企業ほど導入しがち、固定残業代制(みなし残業代制)について
固定残業代制、これは毎月基本給に加えて、あらかじめ一定時間分の残業代を支給する制度です。一見すると残業しなくても残業代を貰えるラッキーな制度に聞こえるでしょう。でも世の中そんなに甘くありません。
固定残業代制を導入している会社は忙しく、長時間の残業代を払いたくないから固定残業代制を導入しているのです。残業時間が長くなると残業代が膨大になります。しかし固定残業代制であれば、あらかじめ30時間で定めていれば30時間分の残業代を払えば事足ります。そして実際には30時間では終わらない量の仕事を社員に与えればよいのです。
また基本給を可能な限り下げ、固定残業代も低くなるように調整している会社が多いです。トータルすると他の会社の基本給とほぼ変わらない程度の会社もあります。こうなると実質ただ残業代が出ないだけという事と変わらないです。悪質な会社だとオファー面談の時に内訳を隠して固定残業代を含めた額を月収として教えてくる会社もあります。いざ入社してから残業代込みと知るわけです。オファー面談の時に怪しく感じた時は、月収の内訳を確認しましょう。
見なし残業代制を謳っている会社は総じて残業時間が長くなることは間違いないと思ってよいでしょう。ブラック企業としての要素は強いですので避ける候補です。
ポイント
- 固定残業時間以内に終わることは無いと思ってよい
- 基本給が抑えられており他社と比べると固定残業代を足しても同じくらいの事も多い
- 固定残業代制をオファーで隠されることも、怪しい時は月収の内訳を必ず確認しよう
ブラック企業の分かりやすい特徴、離職率が高い
ブラック企業の分かりやすい特徴ですが、離職率が高いです。もし大手を受けるのであれば就職四季報を見る事をおすすめします。新卒3年後の離職率が分かります。一概には言えませんが、無回答となっている企業は離職率が高い可能性が高いです。
新卒は3年で3割退職するのが目安といわれていますので、4割を超える企業は離職率が高いと見なすことができるでしょう。
離職率が高い企業はそれなりの理由があります。給与が低い、残業時間が長い、パワハラ体質、ノルマがきついなど色々考えられます。
私が勤めていたとある企業では、営業で入社した新卒社員は毎年半分以上、1年以内で退職していました。残業時間も長く、ノルマを達成しないと給与も低いという中で仕事をするのは先が見えなくなるのでしょう。
ノルマの達成が無理な基準、有給休暇が取れない
よく月収50万円以上可などと謳って募集している企業があります。そういった企業は達成が極めて困難なノルマが設けられています。それを達成した社員が過去1人しかいないなど、一応実績の根拠があるが通常の人には不可能だったりします。
困難なノルマを達成できなければ、ブラック企業の場合ありがたい罵詈雑言が待っています。メンタル的にも良くありません。入社前に気づけば回避すべきですが、万一入社してしまったら即退職届を出しましょう。
またブラック企業に限って有給休暇が取りずらいです。有給休暇の取得は「事業の正常な運営を妨げる場合」を除いて、会社は拒否することはできません。労働者の権利です。
企業によっては有給休暇を取りにくい雰囲気があります。その雰囲気は事前に感じ取れるといいですが、入社するまで難しいかもしれません。ブラック企業は自分からなかなか有給が取れないことを吐露する場合があります。
有給の取得の際は理由を言う必要はありません。聞かれても「私用のため」で問題ないのです。堂々と取得しましょう。
ポイント
- 困難なノルマを課せられる会社がある
- 達成できなければありがたい罵詈雑言
- 有給休暇は原則、いつでも理由なく取れるもの
まとめ
ブラック企業が社会問題であることは間違いありません。人の人生を悪い方向へ巻き込んでしまうのです。
休日について述べましたが、悪質なブラック企業はサービス残業やサービス出勤を求めてきます。実際に働いた時間は手帳にメモしておきましょう。もし会社を訴える事になり訴訟となれば記録が重要となります。手書きのメモでも問題ないので、時間を控えて置くことは大事な証拠となります。
固定残業代制の場合も、固定残業時間を超えた場合は残業代を支給しなければなりません。ブラック企業の場合、支給していない可能性があります。メモは固定残業代制の会社相手でも生かすことができます。
また罵詈雑言はパワハラです。さっさと退職するのが一番ですが、訴えるのであればICレコーダーで記録しておきましょう。証拠がなければ勝つことはできません。
ブラック企業は入社しないことが一番です。もし入社してもなるべく早く退職することがベターです。間違っても体や心が壊れるまで働かないようにしましょう。