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【難易度6~7】測定と計量管理の国家資格である計量士とは

計量の専門知識を有する者に与えられる計量士の資格

計量士は、計量法を根拠に計量の専門知識を有する者に付与される国家資格です。計量士は自主的に計量管理を行う事業所等の計量器の整備や計量の整備保持、計量方法の改善などの措置を講じます。また濃度、騒音、振動の計量証明を行います。取扱う業務に応じて下記の3つの資格に区分されています。

・環境計量士(濃度関係)

大気及び水質、土壌の濃度の計量及び計量管理に関する業務を行います。

・環境計量士(騒音・振動関係)

音圧及び振動加速度の計量及び計量管理に関する業務を行います。

・一般計量士

工場や百貨店など各種事業所等で計量器の精度管理や計量管理を行います。

それぞれ区分毎に別の資格となっています。

計量士になる方法は2つのコースがあります。1つ目は、国家試験に合格して計量士登録することでなることができる「国家試験コース」です。2つ目は、計量研修センターにて一般計量教習及び区分に応じた計量特別教習を受講して計量士を目指す「資格認定コース」です。

ベルン
計量士の資格は3つの区分があるんだね

計量士の仕事や就職先についてを語ります

計量士は区分ごとに仕事内容が大きく異なります。仕事内容が異なるため就職先や勤務場所等は異なります。

環境計量士(濃度関係)の仕事や就職先

環境計量士(濃度関係)は工場の排水や煤煙、大気中や水域及び土壌などに含まれる有害物質の測定を行い、計量管理を行います。そして計量士共通の業務として、計量証明書(分析・測定結果を証明する文書)に押印し発行します。

環境計量士(濃度関係)は、環境コンサルティング会社や環境調査会社、環境分析センターなどに就職する方が多いです。

環境計量士(騒音・振動関係)の仕事や就職先

環境計量士(騒音・振動関係)はプレス機や鍛造機、送風機など騒音を発生する工場などにて騒音及び振動の測定を行い、人体への影響を調査します。騒音や振動は人体に悪影響を及ぼすため、環境計量士(騒音・振動関係)の仕事は重要です。また計量証明書の発行も業務に含まれます。

環境計量士(騒音・振動関係)は環境計量士(濃度関係)と同様、環境コンサルティング会社などに就職するケースが多いのです。

一般計量士の仕事や就職先

工場や百貨店などに設置されている「質量計」や「温度計」「体積計」「長さ計」などの計量器の精度管理や計量管理を行います。質量計などこれらの計量器は計量証明検査周期が定められており、定期的に検査を受ける必要があります。それらの検査を行うのが一般計量士です。

一般計量士は、化学プラント、スケール製造メーカーの求人が多いです。

ベルン
計量証明を行うことは大切な仕事なんだね

計量士国家試験は受験資格なし、登録や資格認定の際に必須

計量士の国家試験は受験資格がなく誰でも受験することができます。では誰でも計量士になることができるのでしょうか。そうではありません。合格しても資格登録することができず、要件を満たしていないと計量士となることができないのです。要件が様々ありますが、下記の通りとなります。

計量士国家試験合格者の計量士登録要件

国家試験合格者は以下のいずれかを満たしていることにより計量士として登録することができます。

(国家試験合格者の登録要件)

【環境計量士(濃度関係)】

・濃度に係る計量に関する実務に一年以上従事していること

・環境計量講習(濃度関係)を修了していること

・薬剤師の免許を所持していること

・化学分析科の職業訓練指導員免許を所持していること

・職業能力開発校(化学系化学分析科)を修了していること

・1級又は2級化学分析技能士又は産業洗浄技能士(化学洗浄作業)に合格していること

・技術士(衛生工学部門)の資格を所持していること

【環境計量士(騒音・振動関係)】

・音圧レベル及び振動加速度レベルに係る計量に関する実務に一年以上従事していること

・環境計量講習(騒音・振動関係)を修了していること

・公害検査科の職業訓練指導員免許を所持していること

・職業能力開発校(化学系公害検査科)を修了していること

・技術士(物理及び化学を選択科目とする応用理学部門)の資格を所持していること

【一般計量士】

・計量に関する実務に一年以上従事

また資格認定コースは上記で述べましたが、計量研修センターにて一般計量教習及び区分に応じた計量特別教習を受講して資格取得を目指します。しかし講習を受講し、修了するだけでは資格取得とはなりません。認定を受けるには3区分の計量士いずれも実務経験が必要となります。資格認定コースの認定要件は下記の通りです。

(資格認定コースの認定要件)

【環境計量士(濃度関係)】

2つの要件を満たす必要があります。

1.濃度に係る計量に関する実務に2年以上従事していること

2.下記のいずれかを満たすこと

・環境計量特別教習(濃度関係)を修了

・薬剤師の免許を所持していること

・化学分析科の職業訓練指導員免許を所持していること

・職業能力開発校(化学系化学分析科)を修了していること

・1級又は2級化学分析技能士又は産業洗浄技能士(化学洗浄作業)に合格していること

【環境計量士(騒音・振動関係)】

2つの要件を満たす必要があります。

1.音圧レベル及び振動加速度レベルに係る計量に関する実務に2年以上従事していること

2.下記のいずれかを満たすこと

・環境計量特別教習(騒音・振動関係)を修了していること

・公害検査科の職業訓練指導員免許を所持していること

・職業能力開発校(化学系公害検査科)を修了していること

【一般計量士】

・計量に関する実務に5年以上(うち2年以上は質量に関する実務を含むこと)従事していること

ベルン
試験に合格すれば資格取得とはならないんだね

計量士資格試験について語ります

計量士試験は誰でも受験することができます。但し上記で述べた通り、登録するには実務経験又は特定の資格や免許が必要です。
五肢択一で出題され、専門科目80分、一般科目70分となっています。合格基準は専門2科目、共通2科目ともに200点満点中120点程度ですが、難易度等によって異なります。
試験科目は下記の通りです。
(共通科目)

・計量関係法規

・計量管理概論

(専門科目)

【環境計量士(濃度関係)】

・環境計量に関する基礎知識(環境関係法規及び化学に関する基礎知識)

・化学分析概論及び濃度の計量

【環境計量士(騒音・振動関係)】

・環境計量に関する基礎知識(環境関係法規及び物理に関する基礎知識)

・音響・振動概論並びに音圧レベル及び振動加速度レベルの計量

【一般計量士】

・計量に関する基礎知識

・計量器概論及び質量の計量


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